「用がないなら離れてよ、うざい」



ついに言った。

躊躇なく毒を吐き出した天使は実は悪魔ではないのだろうか。


だが、巨人天パ男…レイは怯みもせず、ニコニコとにこやかに話を進める。



「いきなり冷てーなぁ、オレ泣いちゃうぜ?」


「勝手に泣いてれば?ハンカチは貸してやらないよ」



次々と吐かれる毒。


相手の気持ちなんて知ったこっちゃない。


相変わらず表情は無愛想なままだ。



「用はある!思い付いたぞ!!」


「今思い付いたの?レイの頭って都合のいいときにしか働かないんだね。」



あまりの言いように、見ている皆はハラハラドキドキだろう。


一方のレイはまだにこやかに…ではない、いやにこやかなのだが、目が潤んで鼻から鼻水が…。


だが、表情はいまだニコニコと崩れることはない。



「はぁ、で、用は何なの?天パロン毛レイ」


「天パロン毛…?まあ、あってるからいっか。
いやーね、女騎士達はどーしてると思う?」


「…レイの頭って本当に働かないんだね。明らかに思い付きじゃん」



毒を吐く少年にレイは言い返しもせず、ハハッそーかなあ〜、なんて呟いて照れている。


いや、褒めてないからね?