ゴッドネス・ティア

「…俺達はあんたを警察に突き出すつもりはない。だけど、あんたこれからどうすんの?」



ごもっともな……リン、と名乗った女性の意見にレオナは深く頷き、これからのことを話し始める。

リンはしばらく、ん〜と顔をしかめて悩んでいると、ハッと頭上に電球でも光りそうな表情で両の掌をポンと合わせた。

…………なんだか嫌な予感がする。



「アタシ、アンタ達に付いて行くよ!!」


「なんか突拍子もないこと言い出したー」



素早く、突拍子もないことを言い出したリンへ却下の意味を込めてツッコんだ。

国王騎士にレオナ、ヒサノ、アラン、スノーリア………これ以上増えると遠足のように大人数になってしまう。


しかも国王騎士はまだあと二人いるときた。

馬車に寝る場所などない。


リンが、この旅の意味をわかっているかいないのかの問題より、寝床の問題を先に考えるレオナはケチくさい男とみた。



「えー!ケチくさいな少年!アタシ一人くらいいーじゃないかー!」


「うるせー、ぐずぐず言うな。こっちはこれ以上増えるとキリがねんだよ」


「七人も八人もかわりないよー!」


「バカヤロウてめぇ!こっちは馬車んなかの面積を七人で分けてんだよ!
一人入るだけでどれだけスペースが減るか知ってんのか!?
だいだいこっちは毎日毎日寝相の悪い奴に蹴られて蹴られてムカつくんだよ!クソが!!」








言い切った。

久しぶりに言いたいことぶちまけた。

こんなに我慢していた自分は偉いな、と内心自分を慰める。


少々私情も入ってしまったが、なんとかわかってもらえただろうか。