ゴッドネス・ティア

「なあ、そろそろいいだろ?俺、飽きてきた」



華蓮とル・メイがやりとりを続けている間、ぼんやりとその光景を眺めていたスーは溜息をつく。



「お待たせ、もう大丈夫だよ。サロナ、あたしも手伝うからね!」


「……勝手にしろ。じゃぁ………」



サロナは世にも奇妙なギョルロッドを振り上げた。


その瞬間、ギョルロッドの目が白目になり、それが合図のように光が集まる。

それを見届けたサロナは満足げににんまりと笑みを見せた。



「いくよ!!」



振り上げたギョルロッドを目下の地面に突き刺し、人差し指をスーへ向けた。








「自然の恐ろしさを思い知れぇえーーっ!!」



その言葉と同時に、ボコボと音がした。

地面を見ると、至る所からひび割れが生じ、地盤が怪しくなる。



「チッ!!」



ひび割れから堂々と登場した木の根ががスーへと襲い掛かる。

思いもよらない奇妙な魔法に舌打ちをして、宙を高く跳び、サロナにはねられた華蓮の剣をとり、根を切り刻む。



「俺にそんなものはきかんな」



軽やかに跳び回り、余裕に笑みを見せるスー。

だが、サロナは苦い顔もせず口の端をつりあげた。



「それはどうかな?」



先程までお留守だった左手を右手に重ねた。

すると、たちまち地面から根が這い出し、数が二倍、三倍と増えていく。


どうやら自分の魔力をギョルロッドへ注ぎ、ギョルロッドが刺さっている地面の下の根を操っているようだ。



「くっ!!」



次々と襲い掛かる根にスーにも余裕がなくなってきた。


襲われれば斬り、襲われれば斬り…

そしてとうとう一本の根がスーの足首に絡まった。