「………じゃあまずはー…」



考えるように唇に指をあて、チラリと華蓮を見る。

華蓮は痛みで起き上がることが出来ず、サロナに見下ろされる状態になり、なんとも不機嫌そうに顔をしかめた。


しかし、目が合うと弱々しく目を反らす。

今の彼女には反論する気力もないらしい。



「まずあんたは邪魔だからー、…………………………奥に引っ込んでて」






華蓮が目を反らしたその隙にサロナは目をぎらつかせた。

瞬時に華蓮の首根っこをわしづかみ、一気に引き寄せる。



「っな!?―――っんのぁぁあああっっ!!!」



華蓮は自身の悲鳴とも言い難い雄叫びと共に、広場の隅のほうへ放り投げられた。

だがやはり、体が子供なサロナは筋肉が着いていかず、目的よりもまだ達していない地点で華蓮を落としてしまう。


しかしその反動でごろごろと地面を転がり、無事広場の隅に追いやることができた。



その一瞬の出来事を瞬きもせず見ていたル・メイは渇いた瞳をパチクリさせて口をポカンと開けて、ぽつりと呟いた。

















「すっごーい…」