「情けないねえ…あんた騎士様じゃないの?」
命の恩人、サロナ・ダークは妖艶に笑んだ。
そして、スーの剣…もとい華蓮の剣を世にも奇妙で不気味な真っ黒なロッドで振り払う。
油断していたスーは剣を手放し、地に落としてしまった。
眉間に何本もシワを寄せてサロナを睨む。
それに対して本人は涼しい顔だ。
だが、華蓮はそんなことどうでもよかった。
なんと、華蓮の視線はサロナの武器である世にも奇妙で不気味なロッドにくぎづけだったのだ。
少し離れたところにいるル・メイはそのロッドを見て立ち尽くしている。
それに気付いたサロナは今度は優美に笑ってロッドを見せてくれた。
「あたしが開発した魔術師専用のロッドだよ。
ギョルロッドっていうの」
自慢げに見せられた全身黒のそれは、左右にカクカクと折れ曲がり、そしてロッドの先端には人の目を巨大化したようなものが浮いていた。
しっかりと長いマツ毛まで生え、実に生々しい。
奇妙だが恐ろしいというわけでもなく、いや恐ろしい風貌なのだが、二人は世にも微妙な感覚に襲われた。
『サロナさまー、こいつらジブンをミてきてハずかしいっすー。テれちゃうっすよー』
…………喋った。
世にも奇妙で微妙なロッドが喋り出した。
口がないくせに。
二人はどう反応していいかわからず、ただただロッドに微妙な視線と表情を送り続けていた。
命の恩人、サロナ・ダークは妖艶に笑んだ。
そして、スーの剣…もとい華蓮の剣を世にも奇妙で不気味な真っ黒なロッドで振り払う。
油断していたスーは剣を手放し、地に落としてしまった。
眉間に何本もシワを寄せてサロナを睨む。
それに対して本人は涼しい顔だ。
だが、華蓮はそんなことどうでもよかった。
なんと、華蓮の視線はサロナの武器である世にも奇妙で不気味なロッドにくぎづけだったのだ。
少し離れたところにいるル・メイはそのロッドを見て立ち尽くしている。
それに気付いたサロナは今度は優美に笑ってロッドを見せてくれた。
「あたしが開発した魔術師専用のロッドだよ。
ギョルロッドっていうの」
自慢げに見せられた全身黒のそれは、左右にカクカクと折れ曲がり、そしてロッドの先端には人の目を巨大化したようなものが浮いていた。
しっかりと長いマツ毛まで生え、実に生々しい。
奇妙だが恐ろしいというわけでもなく、いや恐ろしい風貌なのだが、二人は世にも微妙な感覚に襲われた。
『サロナさまー、こいつらジブンをミてきてハずかしいっすー。テれちゃうっすよー』
…………喋った。
世にも奇妙で微妙なロッドが喋り出した。
口がないくせに。
二人はどう反応していいかわからず、ただただロッドに微妙な視線と表情を送り続けていた。



