想像力豊かなル・メイが考えていたとは別な声が響き、固く閉じていた目をゆっくりと瞼をあげる。


目の前には信じられない光景があった。


















華蓮の頭上でしっかりと剣が受け止められている。

それに受け止めたのは華蓮ではなかった。


スーは信じられないというように目を見開き、同時に悔しそうに唇を噛んでいた。


唇から少量の血が漏れる。

そして、ポタッと音を起てて地面に落ちた。


その音で今まで固く目を閉じていた華蓮がゆっくりと瞼を開く。

数回瞬きをして、……目を見開いた。




「……し、死んでない…?」



体をあちこち触ってみるがどう見ても五体満足。

……刺されなかったのか?




痛みが走る左肩を堪えて頭上を見上げた。

……なんと、剣が誰かの手によって受け止められている。

だが、よく見てみると、




……その姿には、見覚えがあった。





















かわいらしいカボチャパンツ、背中の大きなリボン、底の厚い革ブーツ。

艶のある漆黒の揺れるツインテールが印象的で、大人っぽい表情のわりに、幼い顔立ち。

















「……サロナ…?」