先程まで朝日が明るく草木を照らしていたというのに、今はそんなことつゆとも思わせずまるで奴の心情を映し出すかのように風が吹き荒れていた。


奴は女が羨ましくて刺し殺したくなるくらいサラサラの淡い紫の髪をはらい、またも不敵に笑っている。

その表情はどこぞの世界からやってきた悪魔のよう。




「華蓮ちゃんっ!!」



そんな奴の姿を瞳に映しながら、必死に駆け寄ろうとするル・メイ。

なぜなら奴の手中には自分と犬猿仲間である華蓮が捕らえられているから。


仲が悪くても毎日喧嘩をしていてもル・メイにとって彼女は大切な仲間だった。




「バイバイ、華蓮ちゃん」



奴…スーはル・メイを目の端にやると、地面に倒れ伏している華蓮に目をやった。










剣を構え、


振り下ろす。






そこに迷いというものは一切ない。




















―――オレはここで死ぬのかな…

やだなー、香月さん達とまだ合流してないのに…





………あ、ル・メイじゃん。


めっちゃ急いでる急いでる。







…まーた泣きそうな顔しちゃってさ、


今にもこけそうじゃん。





…あれ、なんでル・メイは泣きそうなんだ?


………あ、…そっか………

























最後に一回くらい謝っといたらよかったかなー…
































「いやぁぁああーーーっ!!!」