一方、国王騎士が仲間に加わった同時刻。

サロナの雄叫びを無視し、さっさとメルスの墓とやらがある森に来た国王騎士の一員である華蓮とル・メイはトロトロと森をさ迷っていた。



「うっわ〜、木がいっぱ〜い!」


「当たり前だろ、森なんだから」



いちいち歓声をあげるル・メイに素っ気なく言い放つ華蓮。



「てゆーか、今更だけど香月さん達待たなくてもいいの?」



華蓮の態度にムッとしながらル・メイが話題を切りかえると、華蓮は瞬間ハッと目を見開いた。



「わ、忘れてた…」


「だね…」



華蓮の返事に溜息をつく。

自分はどうだったかは棚に上げてだ。


それにまた華蓮はムッと顔をしかめたが放っといて、先輩方を放って先に目的地に着いていいのか、と考えをめぐらした。

ル・メイも頭を抱えてうなり始める。


そして二人は草場に座り込み、先輩方より先に行ってもいいのか会議(という名の休憩)を始めることにした。


















うんたらかんたら話し合いをしているうちに言い合いになり、木を一本まるごとハゲにしたことを除けば、とても良い会議になったと思う(反省)



「こちらにも敵がいるからな…敵に先回りされる前にオレ達が涙の石とってこなくちゃいけない。先輩方には悪いけど……」


「うん、あたしもそれでいいと思うよ」


「じゃ、先に行く、ということで」


「決まりだね!」



会議の結果、先輩方を置いていくことに決めたらしい。

行きはよいよい帰りは怖いが仕方がない、とかなんとか言いながら二人は先程刻まれた痛々しい傷を抑えながら立ち上がった。



「あ〜怒られちゃうかなぁ…大丈夫かなぁ?」


「多分、大丈夫だと思われる…。オレ、リュンマさんだけは怒らせたくないなぁ…」


「うんうん、香月さんなんて可愛いもんだよ…」



そう言って、過去の出来事を思い出す。

数秒もたたないうちに冷汗が数粒首を伝い落ちた。