ゴッドネス・ティア

「探しても見つかんねーよ、ムンマに蹴られたときあたし等とあの二人は全く逆方向に飛ばされていったからな…。
とりあえずムンマを探そう。
チッ…これじゃ、国王国家女五大騎士って名乗れねぇじゃねーかっ」



香月はハァ…ッと呆れたように溜息をついた、と思ったらさもめんどくさそうに不機嫌極まりない表情で舌打ちした。



「…貴様、今、国家騎士と言ったな…」



香月が苛立ちを隠せないでいると、自分よりも大分不機嫌そうな男が眉間にシワを寄せてヌッと現れた。


あまりにも不機嫌そうな顔つきなので、一瞬にしてリュンマの顔が強張る。



「…だからなんだ」



負けじと香月も眉間に深いシワを寄せ、下から男を睨みつける。



「あとの二人はどうした」



「知らねーよ、はぐれちまったみたいだけど…」



「ぅわ〜〜〜んっ、たすけてぇんっ!」



香月の言葉を遮るようにこの重っ苦しい空気耐えに耐え兼ねていたリュンマがとうとうたまらず泣き出した。



「どうした?!」



何の騒ぎだ、とレオナがすっ飛んで来た。


生憎、真剣モードではないとわかると、真顔が、なんだ…といつものだらし無い表情に戻る。



「レオナぁこの人、この人怖いよ〜!」



わーん、とか言いながらどさくさに紛れてレオナに抱き着くリュンマに、レオナはどうでもいいと無反応だ。


ヒサノの方はムッとおもしろくなさそうに顔をしかめる。


なんでこいつは初対面なのにそんなに馴れ馴れしいんだ、とでも言いたげだ。