「血ぃ吐いたっつーことは口の中でも切ったんじゃね?
…誰かに殴られたのか?」
心配そうに自分を見るレオナを不信に思いながら、藍・香月は意識が途切れるまでのことを思い浮かべた。
たしか…ムンマが崖から落ちそうになって…皆で引き上げて…
「…蹴られた」
「そうか、乱暴な奴だな〜」
それなら、と香月以外の女達の口の中も調べ始めた。
「あの…大丈夫ですか?」
誰かわからない、知らないレオナをじとっ…と睨んでいると、白くて細っこい腕がのびてきた。
この腕は、戦いを知らない腕だ。
傷一つなく、よく手入れされた爪、剣だこもなければぺんだこもない。
女性が羨ましがる腕の代表と言ってもいいだろう。
その手にはその肌となんらかわりない純白のシワ一つないハンカチが握られている。
どうやら、自分に渡しているらしい。
「…いい、ハンカチ汚れるだろ」
キラキラ輝いて見えるハンカチを自分とは比べものにならないくらい美しい女の子に返した。
だが、女の子はニッコリ微笑んで、またハンカチを自分に差し出してきて、それどころか傷口からにじんでいる血を優しく拭き取った。
純白のハンカチに鮮血が滲む。
「汚くなんかないです、それにハンカチは拭うためにあるんですからちゃんと役目を果たしてくれないといけませんので!」
そう言って、どうぞ、と自分に手渡してきた。
「…助かる」
今度は素直に受け取った。
実はハンカチ持ってなくて焦ってたし。
そこが女として欠けているなと改めて自覚した。
…誰かに殴られたのか?」
心配そうに自分を見るレオナを不信に思いながら、藍・香月は意識が途切れるまでのことを思い浮かべた。
たしか…ムンマが崖から落ちそうになって…皆で引き上げて…
「…蹴られた」
「そうか、乱暴な奴だな〜」
それなら、と香月以外の女達の口の中も調べ始めた。
「あの…大丈夫ですか?」
誰かわからない、知らないレオナをじとっ…と睨んでいると、白くて細っこい腕がのびてきた。
この腕は、戦いを知らない腕だ。
傷一つなく、よく手入れされた爪、剣だこもなければぺんだこもない。
女性が羨ましがる腕の代表と言ってもいいだろう。
その手にはその肌となんらかわりない純白のシワ一つないハンカチが握られている。
どうやら、自分に渡しているらしい。
「…いい、ハンカチ汚れるだろ」
キラキラ輝いて見えるハンカチを自分とは比べものにならないくらい美しい女の子に返した。
だが、女の子はニッコリ微笑んで、またハンカチを自分に差し出してきて、それどころか傷口からにじんでいる血を優しく拭き取った。
純白のハンカチに鮮血が滲む。
「汚くなんかないです、それにハンカチは拭うためにあるんですからちゃんと役目を果たしてくれないといけませんので!」
そう言って、どうぞ、と自分に手渡してきた。
「…助かる」
今度は素直に受け取った。
実はハンカチ持ってなくて焦ってたし。
そこが女として欠けているなと改めて自覚した。



