「工業さん入りまーす。」 ステージ裏で取り仕切る 先生の合図で楽器を運び入れた。 確かあの人、晴の中学の先生… セッティングもそこそこに アナウンスが入る。 「プログラム5番、東工業高校。 指揮、大山 寛。」 大山先生が棒を一振すると、 空気が一瞬にして変わる。 そして、自分がその中に すーっと溶け込んでいくのがわかった。