次の日、いつもと変わらず電車に乗り込んだ。
もしかしたら、美香に出会えるかもしれないと思いながら車内を見てみたが、それらしき人物はどこにもいなかった。
 
 
(当たり前だよなぁ…。)
 
 
外の景色を見ながら、駅に着くまでボーっとしていた。
 
つまらない日々が続いていたが、週末に高校時代一番仲が良かった達也(たつや)が大和の家に遊びに来ることになった。
会うのは4年振りで、メールは時々していたが、ここ最近はお互いが忙しかったため、連絡すらとっていなかった。が、急に達也がメールをよこしてきた。
内容は、
“フラれたから大和ん家で呑もうぜ"
だった。
達也は昔からそんなヤツだった。
4年振りということもあって、大和は即OKした。
 
それからは、週末が待ち遠しくてしかたがなくなり、美香の事はすっかり忘れていた。
 
 
週末になり、達也が家に来た。大和の家は、4年前達也が来た時と同じマンションで、達也は迷うことなく時間通りに来た。
インターホンが鳴ったと同時に達也は入ってきた。