“大和あんたの部屋汚いから掃除しておいたよ。ついでに食べ物も全然なかったから少し置いていくわ。たまには自分で作りなさいよ"
 
 
母親からのメールを見て、今日はコンビニによらず、すぐ家に帰ることにした。
 
家に帰ると、散らかっていた部屋は綺麗になっていて、洗濯物もたたんであり、さらに台所には鍋が2つ並んでいて、テーブルには母親の置き手紙があった。
 
 
“たまに来るから、必要な物があったらメールしなさいよ"
 
 
大和は母親の大切さをあらためて実感した。
 
ふと、ベッドの横にある小さなテーブルの上を見ると、見知らぬ目覚まし時計があった。
大和は普段起きる時に使っているのは、携帯のアラームだけだった。この時計のない部屋を見て、母親が気をきかせて買っておいてくれたのだろう。
 
 
「母さん…。ありがとう。」
 
 
そう一人でつぶやき、夜ご飯の用意を始めた。
 
久しぶりの母親の料理はとても美味かった。いつもはコンビニ弁当だったから、今日はなんとなくあたたかい気持ちで食事ができた。
残りは明日の朝にでも食べよう、そう思いながらシャワーを浴びて寝ることにした。