大和は会社に着き、自分の席へと座った。仕事をしながらも美香の事を考えていた。
あんなに美人で素敵な女性には二度と出会えないかもしれないなぁと。
今の会社に勤めてから、初めて会った事を考えると、今日、美香と出会えたのは本当に偶然だったと。
もう少し美香の事を詳しく聞いておけばよかったと、大和は後悔した。
 
会社は定時に終わり、大和はいつもの様に駅へと向かっていった。その途中、少しキョロキョロしながら歩いていた。美香の姿を見ることはできなかった。かといって、あの高層ビルにまで行く勇気はなかった。
 
 
「俺は何を考えているんだ、彼女を探したって、付き合えるわけじゃないのに…。」
 
 
大和は一人つぶやき、ハハッと笑いながら電車に乗り込んだ。
 
電車の中は帰宅ラッシュで大和は奥のドア側に押し込まれた。
外の景色を見ながら、今日のご飯は何にしようと考えていた時、携帯のバイブが鳴った。