結華を送った後
残りの仕事をすませてると
いつもはなんともなかったのに
少し寂しさを感じた。
結華からmail来ないな……
たまには俺から送るか。
イヤ、寝てるかも知れんからやめるか。
「…そろそろ寝るか。」
ーーーー
…もぉ朝か。
今日はアラームが鳴る前に起きたのか
時計をみるとすでに5時30分だった
ヤバい!!遅れる。
急いでシャワーを浴び支度し
結華にmailを送り学校に向かった。
“結華へ”
おはよう。ちゃんと寝てるか?
5位以内に入っても体調を崩せば
あの約束はなしにするからな。
…送信。
どうせまだ寝てるだろ。
学校について携帯をみるとmailが来てた。
“裕平さんへ”
おはよう。ちゃんと寝てますよ。
裕平さんこそちゃんと寝てるの?
いつも寝癖あるけど。笑
今日はもぉ起きてたのか。
寝癖あるの関係ないだろ。
“結華へ”
今日は早起きなんだな。
あれは寝癖じゃない。癖っ毛だ。
…送信。
“裕平さんへ”
裕平さんなんだか子どもみたい。
…俺が子どもだと?
“結華へ”
子どもって言ったな?覚えとけよ。
今度仕返しするからな。
じゃ先に学校行ってくる。
…送信。
…もぉすでについてるがな。
コーヒーを飲みながら送る
“裕平さん”
覚えとかない。
いってらっしゃい。
…いってらっしゃいって言われるの
何年振りだっけか
『おはよう~。岡本先生どしたの?
朝から携帯握ってニヤケちゃって。』
「なにもないですょ。」
…会議だな
会議に行くといつもよりも長かった
渡り廊下から生徒の声がした
…結華もぉ来てるだろうか。
早く終わらねぇかな。
会議が終わったときはすでに
HRがはじまってた。
…会えなかったの初めてだな。
ーーーーーー
3年の試験官が終わり職員室に戻ってると
『先生寝癖あるじゃん。』
「朝寝坊したからな。」
『いつもきっちりしてるのに珍しいね。』
3年の女子に言われた。
…いつもなら結華から言われるのに
結華以外から言われるのは
なんだかイヤな気分がした。
職員室に戻ってテストを入れ替えると
結華のいる教室に向かった。
…結華に寝癖言われるかな。
ドアを開けながら考える
「席につけ。」
結華をみると顔色が悪かった。
…アイツまさか寝てないのか
気になって本を読んでも
頭に入ってこなかった。
いつもなら見回りしないが
結華の顔いろがだんだんと悪くなっていた
「気分が悪いヤツは手をあげろょ。」
隣に立って言うと結華は顔をあげた
時計をみると残り7分だった。
「後残り5分だ。
名前の確認と、記入漏れがないか
最終確認しろよ。」
教壇に戻り言った。
テストを回収し教室を出た。
…結華大丈夫だろうか。
掃除の時にでも聞くか。
職員室にテストを届け
早めに掃除場に行って掃除をはじめた。
『先生早かったね。
ほとんど終わってるじゃん。』
「あぁ。急ぎの用があるから先にしてた。俺進路室にいるから
終わったら鍵持ってきてくれ。」
『了解です。』
…結華まだいるかな
急いで進路室に戻ると
森田先生と石澤先生が結華を支えていた
「どうしたんですか?」
ぐったりとした結華の姿があった
…やっぱり体調悪かったんだな
『体調か悪いみたいで
倒れちゃったから保健室に
連れて行こうかと。』
「だったら俺変わりますよ。
石澤先生は内線で保健室に
連絡してもらえますか?」
自分でも分かるほど冷静ではなかった
石澤先生とかわり
保健室に向かったが誰もいなかった。
…なんでいないんだよ。
少しイライラしてた。
『僕ちょっと中間先生探してくるので
岡本先生頼んでいいですか?』
「はい。」
森田先生は中間先生を探しに行った
「結華大丈夫?」
…小林もどこか行けば気にせず話せるのに
そうだ。
裕平はひらめいた
「小林俺がついてるから
馬場を迎え行ってこい。」
「そうだね。結華また後で
明莉と来るからね。」
…よし。これで2人きりだ
支えながらソファーに座らせた
「俺に寄りかかっていいからな。」
「…。」
返事がない。
「お前やっぱり体調
悪かったんじゃないか。」
「…ごめんなさい……。
でも体調悪いのバレて
お泊まり無しになるのイヤだった…から。」
「そんな事じゃないかと思ったょ。」
…やっぱりだったか
思ってると森田先生と中間先生が来て
ベッドに移した。
『ゆっくり休んでね。』
「少し寝ろよ。」
出来るなら側にいたかったが
あきらめて進路室に戻った。
ーーーーーー
進路室に戻って石澤先生に報告すると
『結華1年の頃もよく倒れてたよね。』
『でしたね。全校朝礼の時に倒れて
そう言えば何度か助けてました。』
裕平は1年の頃の結華を知らなかったから
驚いた。
…アイツ体弱いのか。
もしかしてさっき倒れたの昨日のせいか?
そぉ思うと仕事が手につかなかった。
会議が終わってから保健室に行ったが
もぉ帰ったと言われた。
…歩いて帰って大丈夫なのかよ。
また結華の事で頭が一杯になった。
今日も仕事を早めに切り上げ
帰ることにした。
「お疲れ様でした。お先に失礼します。」
早足で車に乗り
結華の家に向かう途中電話をした
プルプル、プルプル
「はい。」
「もしもし。俺だけど今大丈夫か?」
「うん。どうしたの?」
「あの後保健室に見に行ったけど
もぉ帰ったって言われたから。
体調どうだ?」
「少し寝たらよくなったょ。
心配かけてごめんね。」
…よかった。
「気にするな。
それよりまた1人で飯食うのか?」
「多分1人だと思うけど…どうしたの?」
「ならまた一緒に食わないか?
ちょうど今お前の家の前なんだ。」
車を停めるとカーテンが動いて
結華の顔が見えた
「それなら家で食べる?
お母さん今日泊まりになるだろうから。」
予想外な答えだった
「いいのか?おじゃましても。」
「散らかってるけどいいよ。」
「なら着替えて車置いてから来る。」
「わかった。」
電話を切らず走りだした
「また後で。」
「後でね。」
…急いで支度しよ。
スーツから着替えて
鏡をみて寝癖をなおす
…ダサくねぇかな。
結華の家に走って向かって
玄関の前で息を整えチャイムを押す
「はぁい?」
「よっ。」
…顔色よくなってる
「…ど…どうぞ。」
「おじゃまします~。」
部屋に入って見回す
「全然散らかってねぇじゃん。」
「軽く片付けしたからね。」
『にゃぁ!!』
…なんか踏んだ
「わっ。」
「もしかして猫嫌い?」
「イヤ。好きだ。
ただ尻尾を踏んでしまった。
痛くなかったか?」
撫でるとゴロゴロ言いながら鳴いた
『にゃぁ~。』
リビングに向かうと
「なに食べたい?」
「結華の手料理。」
「昨日だってほとんど私が作ったよ?」
「だからだよ。結華の料理うまかったから
また食いたい。」
「…ぁりがとう。」
「照れてるのか?」
珍しく顔が赤くないな…
「裕平さんこそスーツ姿も格好いいけど
私服も格好くて好き。」
…今スキって言ったのか?
パニックだ頭冷やしてこよ
「裕平さん?どこ行くの?」
「………。」
「どうして答えてくれないの?」
…っ。顔みられた
「照れてるの?」
高校生にからかわれてる俺って…
「裕平さんってばぁ~。」
甘えた声で呼ばれた
「裕平さん顔赤いけどどうしたの?
照れてるんでしょ?」
…コイツ分かってんのか
「答えてくれなきゃ帰さないょ?
それでもいいの?」
体に手をまわされる
「あぁ。なんでお前はこうなんだ…。」
「怒った……?」
俺そんなに怒りっぽいと思われてるのか…
「怒ってない。
ただお前自分がしてること分かってる?」
「裕平さんに仕返ししようとした……。」
…来ました。自覚無しの天然
「そぉじゃなくて。俺一応お前の彼氏で
一応男なんですけど……。」
「………っ。」
「ようやくわかったか。
飯作ろうぜ。腹減った。」
「…うん。」
赤面してる結華のをみて
…やっぱこうでなきゃな
