テストが終わると掃除だった。

「秋那。結華途中まで掃除一緒行こ~。」

「うん。」

「…うん。」

掃除に行くのが少し億劫だった

「じゃぁまた後で迎え来るね~。」

明莉は手を振りながら更衣室に行った

「2-Aの小林です。掃除に来ました。」

「2-Aの杉本です。失礼します。」

『お願いね~。』

コピーをしながら森田先生が言った

掃除機を出してからゴミ集めをしてると
石澤先生が

『結華いつにもなく可愛いじゃん。』

「可愛くなんかないです。」

「可愛いょ。森田先生どう思います?」

秋那が机をふきながら聞く

『可愛いと思います。』

「私なんかより秋那の方が何十倍も
可愛いです。」

『秋那と結華両方とも可愛いよ。』

石澤先生が言うと森田先生も頷いていた

ゴミ集めが終わり掃除機をかけてると

「わっ。」

と言う声とともに掃除機が動かなくなった

「壊しちゃった!?!?」

「コンセントが抜けたんだよ。
岡本先生が足引っかけたから抜けたの。」

コンセントの先をみると確かに抜けていた

『岡本先生大丈夫?』

森田先生が聞く

「なんとか」

『慌ててどうしたの?』

「掃除場所の鍵を
生徒に渡すの忘れてて取りに来たんです」

裕平は引き出しから鍵を取ると
すぐに走って行ってしまった。

…なんだか気まずいな


掃除を終えた明莉が迎えに来て
教室に戻った。


ーーーーーー


放課後帰る支度をしていると

「結華~。進路室行こ~。」

「どうしたの?」

「明日数学あるから森田先生に
聞きに行くんだって~。」

鞄を持った明莉と秋那が来た

「いいよ。」


進路室に向かうと森田先生と裕平が
話をしていた。
話が終わるのを待っていると
放送で秋那が呼び出された。

「なにかな?ちょっと行ってくるね。」

少しすると

『ごめんね。馬場さん。どうぞ』

「失礼します。」

廊下の椅子に座って待っていると
進路室から裕平が
重たそうな荷物を持って出て来た。

「あっ。落ち…」

「えっ?」

落ちるって言おうと思ったが
言い終える前に落ちていた。

拾おうとしてたけど
他の荷物もあって拾えなそうだった。

「先生大丈夫?少し持とうか?」

「いやいい。それここに乗れてくれ。」

「どこに持って行くの?」

「……。」

少し困ったような顔をしていた

「迷惑…?」

「迷惑な訳ない。
…生徒指導の資料室までだ。」

「わかった。」

やっぱり迷惑だったんだ……


そぉ思いながら歩いてると
秋那が向かいから歩いてきて

「結華どこ行くの?」

「生徒指導の資料室まで。」

「岡本先生重そうだね。少し持とうか?」

秋那は裕平の持ってるのを
持とうとしたが

「いや大丈夫だ。
それより馬場に言わずに手伝わせたから
心配してるかもしれない。
進路室に行って伝えててくれないか?」

「そうだったの?ならわかった。
結華早めに帰ってきてね~。」

「わかった。急いで行くね。」

やっぱり2人になると
なに話して良いかわかんないょ……。

そうしてるうちに資料室についた。

「それ、そこの棚に並べといて。」

…裕平さんやっと話した。

棚に並べてると何かに髪が絡まった

「痛っ。」

ほどこうとするが逆効果でさらに絡まった

…なにやってんだろ……。
バカだな私……。

落ち込んでるといつの間にか
裕平が隣にいた

「お前さぁ。なにやってんだ。」

「…ごめんなさい。」

やる気だけが空回りしてる……。

そぉ思ったら涙が出てきた

「ほら。ほどけたぞ‥ってなに泣いてんだ。そんなに痛かったのか?」

「…ごめんなさい。ありがとう。
なんでも無いなら気にしないで。」

「お前が髪ほどいてるからだぞ。
明日からはちゃんと結んどけ。」

……だよね

「やっぱり似合わないよね……。
明莉たちに褒められたから
ゆ…先生にも褒めて貰えるとおもったけど
しなれないことするもんじゃないね。
昨日の事が嬉しくてしたけど
やる気だけ空回りして失敗しちゃった。」

簡単に髪を結びながら言うと

「…凄くキレイだ。」

「髪でしょ?秋那と明莉にも言われた。」

笑って言うと

「違う。おま…結華がだ。
いつもは可愛いが。今日はキレイだ。」

慌てたように言った。
褒められたいと思ってしたことだったが
実際褒められると思ってたより
嬉しくてこそばゆかった。

「1つ質問してもいい?」

「なんだ?」

「なんで目そらしたり
私のことさけてたの?」

ずっと気になってた…

「そ…それは…が……だったから。」

つぶやくような声で聞き取れなかった

「今なんて?」

「あぁも。だから結華がキレイで
顔見るのが恥ずかしかったんだ!!
それに髪結んで来いって言ったのも
俺様以外のやつらに見られるのが
嫌だったからだ。」

顔を赤くしながら話す姿をみたら

「裕平さん。」

「ん?」

無意識にネクタイを引っ張り
キスをしていた。

自分からしたのに
押しとばしてしまった。

「って。飴と鞭か?」

「っごめんなさい。つい恥ずかしくて…。」

近寄って謝ると抱きしめられた。

「裕平さん誰かに見られるかもょ…」

「ここは俺くらいしか来ないよ。
それに俺様を押しとばしたお仕置きだ。」

誰かに見られるかも知れないのに
離れたくなくて抱きしめかえした。


ーーーーーー

なにもなかったようにして
進路室に戻ると秋那と明莉が
来客用の椅子に座って待ってた。

「遅かったね~。」

「待ちくたびれちゃったょ…。」

「ごめんね。岡本先生がドジって
積んである荷物倒しちゃって。」

「杉本だって棚に髪
引っかけてたじゃないか。」

さっきまでのモヤモヤがなくなって
気が楽になった。

「やっぱ仲良いねぇ~。結華と岡本先生」

「なんか彼カノみたい。」

「「えっ!?!?」」

驚いて思わず大きな声をだしてしまった

「俺がこんな子ども
好きになったりするもんか。」

「こんな寝癖星人タイプじゃないし。」

気付かれたのかとヒヤヒヤした…

「なかなか良いカップルになると
思うんだけどなぁ~。」

明莉が言うと秋那も頷いた

「そんなくだらない事言う暇があるなら
早く帰って少しでも勉強しろ。」

「「はぁい。」」

「また明日ね先生。」

「気つけろよ。」

なんともない挨拶なのに
なんだかこそばい…。

「結華どうしたの?1人で笑って」

「なんか良いことでもあったの?」

「ううん。ただの思いだし笑いだょ。」

「変な結華。」

2人は顔を合わせて言った。