今年は同じクラスなのか……。
まりやを見ながら、ぼんやりとそんなことを考えていた。
「あれ? もしかして、まりやちゃん?」
さっきまで鏡と睨めっこしていた光が、まりやの存在に気付いて声をかけた。
女を感知するレーダーでもついてんのかよ。
それくらいにいつも見つけるのが早い。
光に呼ばれて振り向いたまりやだけど、俺たちを見て暫く固まったあと、首を傾げた。
「あ、あの……?」
困ったような態度を示したまりやに、すぐにピンときた。
そうだよな、1年前に会っただけだし。
それ以上、何も口にしないまりやの予想外の反応に、光は口元を引きつらせていた。
「だから、やめろって言ったんだ。
1年も前のこと覚えてるわけねーだろ。
1回しか会ったことないんだから」
今まで一度だって、女にこんな反応されたことない光は、顔にショックという文字が出ていた。