溺愛王子とヒミツな同居




のん気に笑い合う2人を見ながら、頭の中を自分なりに整理してみた。



つまり私は、幼なじみだった男の子の名前を違う読み方で覚えていたってこと?



彼の名前は、大くんじゃなくて、ヒロト君……?



……うそっ!?



いくら小さかったとはいえ、私ってすごく失礼な人じゃないの!?



人の名前を間違えていたなんて、恥ずかしすぎて顔を上げられない。



「おばさん、ごめんなさい……私……」



「いいのよ。間違いは誰にでもあるし。

それに……謝るなら、私じゃなくて本人にどうぞ!」



え? おばさん何言って?



うつむかせていた顔をまた上げる。



おばさんが立ってるすぐ後ろ。



背の高い男の子が、制服姿のまま立っていた。



見慣れた制服に、まだまだ見慣れない整った容姿。