溺愛王子とヒミツな同居




産みの親である留美さんにまでこんなことを言われて、私は何がどうなってるのかわからなかった。



「あー! もしかして、まりやちゃん……大翔のこと言ってるんじゃない?」



何かを思い出したおばさんの声に、俯いていた私の顔が上がる。



ヒロト……?



「え? ヒロトって……誰?

だって、おばさんの息子さんは大くんじゃ……」



「やっだぁ~! すっかり忘れてたわ!

そういえば、まりやちゃん昔から大翔のことを“大くん”って呼んでたわ!

漢字を覚えたての頃に、大翔の名前を見て

『どうして大がつくの? これはヒロ君じゃなくて、ダイくんでしょ』

て言って、それからずっと息子のことを大くんって呼んでたのよ」



どういうこと?



「あっ、そうだわ! 私もすっかり忘れてた!
まーちゃんは、ヒロ君のことを確かに大くんって呼んでた!

ヒロ君も大くんって呼ばれることに抵抗なく返事してたし。
まーちゃんが言ってた大くんって、ヒロ君のことだったのね」