言いづらかったけど、隠すのはもっと失礼だと思って頷いた。
「そうよね。まりやちゃんは、私と会ったの小2の時が最後だし。
記憶が曖昧になってるわよね。
8年前まで隣に住んでた、松坂留美です」
隣……? 留美さんって……。
「留美……おばさん……?」
小さな声で呟き返した私に、おばさんはニッコリと笑った。
この笑顔、覚えてる……。
いつも元気で優しくて、小さい頃一緒にたくさん遊んでくれた大くんのお母さんだ。
「思い出した~?」
私の様子に気付いたおばさんは、悪戯っ子みたいに笑ってる。
「はい、ごめんなさい。すぐに思い出せなくて」
「いいのよ~! あれから会ってなかったし、覚えてないのも無理ないから。
今日ね、隣に戻ってきたの。だから、またよろしくね!」

