溺愛王子とヒミツな同居




お客さんを連れてリビングに戻ってきたお母さん。



背はお母さんと同じくらい。



黒髪のストレートボブで見た目は若く、元気な印象を受けた。



「こんにちは」



顔見知りではなかったけど、お母さんの知り合いだから挨拶を返した。



「もしかして、まりやちゃん!?」



私を見るなり、その女性の目が輝きだした。



「は、はい」



今日初めて会うのに、どうして私の名前……。



「きゃー!! 想像以上じゃない!
あの子に聞いても気のない返事ばっかりだったから。

まりやちゃん、久しぶりね! また会えて嬉しいわ」



テンション高く喜びを表現してくれるけど、私は覚えてないからどう返していいのか、正直戸惑った。



それを見ていたお母さんは気付いたようで。



「もしかして、まーちゃん……本当に覚えてないの?」