溺愛王子とヒミツな同居




何だと思いながら、教室に入ると待ち構えてたみたいに、クラスの奴らに一斉に囲まれた。



「松坂、昨日のアレは何だ! ちゃんと説明しろよ」



「大翔君はまりやちゃんと付き合ってるの?」



「いや、それはないだろ。大翔って女嫌いじゃん」



「そうだよ。それに藤沢さんは、谷山君と付き合ってるんでしょ」



俺を無視して、次々に繰り広げられる会話。



一言もしゃべってないのに、よくここまで盛り上がれるもんだと、逆に感心さえする。



「我が校の王子様のこととなると、みんな目の色変わるねぇ。

昨日はあれで収まるかと思ったけど、甘かったかぁ……。

みんな真相を知りたいみたいだから、話してあげたら〜?」



他人事みたいに面白がって寄ってきた光。



こいつが朝からやたらうるさかったのは、こういうことか。



「はぁ……めんどくせー……」