「私が眠るまで、手を握っててほしい……なんて、ダメだよね」
まだ返事もしてないのに、勝手に落ち込むまりやの手をしっかりと握り直す。
「ずっとここにいるって言ったろ。
嫌になるほど、今日はお前のこと甘やかしてやる」
「そんなこと言ったら……調子にのっちゃうからダメだよ」
「いいよ。俺がそうしたいんだから、素直に甘えろよ」
「うん……。ありがと……大翔君……」
薬が効いてきたせいか、ウトウトしだしたまりやの頭を優しく撫でる。
「安心して眠っていいから……」
俺がそう言うのをわかってたみたいに、微かに微笑んだまりやは眠りの中に落ちていった。

