食欲がないと言いながら、ちゃんと半分以上は頑張って食べてくれたまりや。
風邪薬を飲んでベッドに横になったまりやを確認して、片付けをするために部屋から出ていこうとする俺を見つめて、服の裾を引っ張ってくる。
「どうした? 気分でも悪くなったか?」
心配してベッドに座った俺の手に、熱を持つまりやの手が触れる。
「……ありがと……。
大翔君が一緒にいてくれて、よかった……」
そんなことを言われると思ってなかった俺は、サラサラの柔らかいまりやの前髪を掻き分けて、おでこに一つキスを落とす。
「熱あがっちゃう……っ」
すぐ反応して赤くなるまりやは、熱のせいでいつもより潤んでる瞳で俺を困ったように見てくる。
「ん? いいよ、俺がちゃんと看病してやる」
早くよくなるようにと願いを込めながら、目尻に頬にと順番に触れるだけのキスを落としていく。

