「いただきます……」
湯気が立ち上るお粥を木製のスプーンで掬って、フーフーと息を吹きかけると、まりやの口元に迷わず差し出す。
その行為を当然のようにした俺に、まりやはポカンとしたと思ったら、熱がある顔を余計に赤くして口を開いたり閉じたりして忙しくなる。
また少しだけ口を開いた隙を狙って、冷ましたお粥をまりやの口の中に流し込む。
「ん……っ」
口を閉じて真っ赤になりながら、遠慮がちに口を動かしてゴクンと飲み込んだ。
その様子をジッと見ていた俺は、一口でも食べてくれたことに安心して笑う。
「もう一口食べられるか?」
スプーンで掬ったお粥をまた差し出すと、小さな口を開けてまた遠慮がちに食べながら頷いてくれた。

