褒められてる……のかな。



私は器用じゃないから、一生懸命にしか考えられないだけで、



大翔君みたいに人に何かを伝えることも上手にできないから、本当にただ一生懸命に向き合ってるだけなんだよ。



「ヒロが手放せない気持ちわかるよ。

なかなかいないもんな~。まりやみたいな女の子」



羨ましそうに呟く谷山君に、背中に回った大翔君の腕に力がこもったのを感じる。



「欲しいっつっても、やらねーぞ」



「そんな怖い顔しないでよ。

こんな独占欲丸出しじゃ、この先まりやは苦労が絶えないね」



何のことだかさっぱりな私の前で、2人だけが理解できる会話が成り立っている。



それを見て、本当に2人が喧嘩しなくてよかったと心から思った。



「さて、それじゃ俺は行くよ」



「え? 私まだ、ちゃんと告白の返事……」



「もうわかってるから。それに、ヒロと俺の仲を心配してくれた時点で、答えは出てるも同じでしょ。

悩ませてごめん。傷付けてごめん。泣かせてごめん。
今までの全部ごめん。

お前に気持ちを伝えられたことは、本当に後悔してないんだ。
今からじゃ遅いかもしれないけど、改めて俺と友達になってくれる?」