重い瞼をゆっくりと開く。



見慣れた真っ白な天井に、もう夕方なんだろうなとわかる西日が部屋の中に差し込んでいた。



熱い息を吐きながら、あちこち痛んで自由に動かない体を何とか起こして、部屋を見回す。



あ……、そうだ。



私、学校で倒れて……それで、大翔君と一緒に帰ってきたんだっけ。



ガンガン痛みを放つ頭に手を当てて、うっすらと覚えている記憶を引っ張り出す。



大翔君、どこにいるんだろう……。



喉がカラカラになった私は、水が飲みたくて、物に掴まりながらベッドを降りて、部屋を出る。



階段を踏み外さないように、手すりに掴まって1段1段ゆっくりと下りる私の耳に、遠いけど誰かの話し声が階下から聞こえてきた。