クリーム色のカーテンを開けると、まだ熱があるせいか赤い顔をしたまりやの姿。
朝よりは呼吸も落ち着いて目を閉じている、その顔を覗き込む。
「まりや……」
熱を持つ頬を手のひらで撫でてやると、小さなふっくらとした唇が空気を吸い込むように開き、それと同時にうっすらと目を開けて、その瞳に俺を映す。
「……大……翔……くん……っ」
途切れ途切れに名前を呼ばれただけなのに、堪らなく嬉しかった。
2日ぶりにちゃんと俺の目を見てくれたまりや。
そんな普通のことが、嬉しくて微笑み返す。
それからは、、病院に寄って診察してもらい、診断はやっぱり風邪だった。
まりやに後から聞いたけど、遊園地に行った次の日から体の調子がおかしくて、食事も喉を通らなかったと教えてくれた。