帰りの電車に揺られながら、ドアのガラスに映る自分の姿をボーッと見つめる。



俺が謝れなんて話を振ったから、こんな結果になったのか……。



ずっと楽しそうにしていたまりやの顔が浮かんできて、右手で前髪をクシャリと掴んだ。



何やってんだ、俺は……。



あの状態のまりやを1人で帰らせるなんて、最低すぎんだろ……。



どんな気持ちで、どんなことを考えながら、まりやが1人で帰ったかと思うと、堪らなく胸が痛くなる。



降りる駅に着いても雨はまだ降ってたけど、そんなことを構ってる余裕もなく家に急いだ。



まりやの家に着くと、玄関のドアを開けて少しホッとする。



玄関には、まりやが今日履いていたサンダルが置いてあった。



自分の部屋にいるんだろうと、2階に上がってまりやの部屋の前まで来たけど、



ノックをしようとして、その手を止める。