「おーい、まりや~! 戻るよ!」
廊下にいるギャラリーの1人からそんな声がかかる。
聞き覚えのある名前に、すぐさま反応した。
「まり……や……?」
呼ばれた彼女は、友達だろう活発そうな子のところに戻っていく。
その途中でまた、俺達の方に振り返った。
まりや……?
まさか……まりやって……
幼なじみの?
友達に引っ張られて、姿を消したまりやと呼ばれた女の子。
幼なじみの“まりやちゃん”と同じ名前の女の子が目の前に現れたことを知って、
驚きを隠せなかった。
***
1年の時に出会ったあの子は、まりやと呼ばれてた。
それから1年。

