この状況で、そんなことを言われたら、我慢なんてできるはずがない。
頑なに背を向けて、まりやを見ないようにしてたのに、ほんと……困ったお姫様だよ、お前は。
寝返り体勢を変えた俺に、びっくりしたまりやは、体を反らして俺との距離を開く。
それを逃すはずもなく、まりやの顔の横に片手をつき、軽く覆い被さる形で俺の下にいるまりやを見下ろす。
「……俺が男だって、ちゃんとわかってんの? あんまり煽るなよ。
必死に抑えてんのに、ほんと困った奴……」
さっきまで、積極的とも言える態度を取っていたまりやは、すぐに赤くなって口だけをパクパクさせる。
俺と目が合った途端に、口をつぐんで何も言わなくなった。
でも、その代わりにダメ押しで潤んだ瞳で見つめられて、もう俺が降参するしかなかった。
「はぁ……。わかっててやってる……わけないか」
右腕で自分の体を支えて、まりやの横についていた左手の人差し指で、おでこをツンと軽く突く。
俺が突いた場所に手を当てて、今度は遠慮がちに見つめてきた。

