「これは、嬉し涙だから……いいのっ」
目尻に浮かぶ涙を自分の手で拭って、もう笑っているまりやに小さな頃の面影が重なる。
泣いてる時、まりやを笑顔にする役目は俺だった。
あの頃は、何も考えずに笑わせることができたのにな……。
「目が離せない奴だよ、お前は」
「それって、私が子供っぽいってこと?」
俺が言ったことの意味がまったくわかってないまりやに、ついつい俺の悪戯心が顔を出す。
「さぁ? どうなんだろうな?」
はぐらかした俺に膨れっ面をするまりやが可愛くて仕方ない。
意味なんて知らなくていい。
目が離せないくらいに、お前のことが好きで堪らないんだから。

