もしも、あの時にまりやが近くにいたら、俺の周りも少し変わってたのか……。
そう思うと、いい思い出じゃないものも、よく思えてくる。
「そんなこと言うと、お前のこと一生手放せなくなるけど、その覚悟あるの?」
こんなことを言えば、まりやが困ることくらい俺にはわかってた。
それでも、いつも全力で考えてちゃんと答えを出してくれるって知ってるから。
「……私、大翔君の隣に……いてもいいの?」
赤くなった目を隠すように瞼を伏せ、長い睫毛を揺らす。
「俺の隣にいるのは、お前以外考えられないから。
何があっても、放してなんかやらない」
自信なさげに言うまりやと繋いだ手を引っ張ると、まりやの頭を自分の胸に抱く。
「お前が俺の幼なじみで、俺の彼女でよかった。
ありがとな……まりや」
心からの気持ちを素直に伝える俺の耳に、鼻をすする音が聞こえてきて、つい笑ってしまう。
「また泣いてる。泣き虫まりや」
悪戯っぽく笑う俺に、慌てて自分から体を離して耳まで真っ赤にして怒ってくる。

