思いもしてなかったんだろう答えに、まりやはキョトンとしている。
「お前っていう存在が俺の中にいたから、どんなに嫌なことがあっても、擦れることもなく今の俺がいて、こうして傍にいられるんだと思う。
女嫌いになってたら、こうしてまりやと一緒にいることなんてできないだろ?」
クスッと笑いながら、繋がれたまりやの小さい手を親指で撫でる。
「私が聞いたこと、怒ってないの……?」
「怒るわけないだろ。お前は、土足で人の心に踏み込むような奴じゃないって、俺がいちばんわかってるし。
でも、お前にこんな顔させるくらいなら、ちゃんと話しとけばって今はすげー後悔してる。
……聞いてみて、幻滅しただろ」
自慢できるような話でもないし、この話を聞いて可哀相だって言う奴しか周りにほとんどいなかった。
モテるっていうのも大変なんだねとか、口先だけの言葉しか言わない奴ばっかりだったから。
自嘲気味に笑う俺にまりやはフルフルと首を横に振った。
「反対だよ。そんな環境で精神的にも辛いことがたくさんあったと思う。私が想像できないくらいに。
その時、私が側にいたら支えになってあげられたのかなって思ったりもした。
力になんかなれなくても、大翔君の側にずっといたよ、きっと」
側にいなくても、十分まりやの存在は俺の中で大きかったのに、またこうして俺のことを支えてくれようとしてくれる。
ほんとに参るくらい、俺を好きにさせる。

