「俺だって、お前の……こと……」
「え……っ?」
言いかけてやめた谷山君の様子が気になって、体の動きを止める。
さっきまでとまったく雰囲気の違う谷山君に、声をかけることができない。
見つめたままの私に、谷山君の顔が近付いてくる。
何をされるのかわかっていなかった私は、彼の顔が数センチ先に迫ったところで、気付いた。
「まりや……」
「……ゃ……っ」
私は思わず目を固くつむり、顔を横に向ける。
「……何、してんだ……」
静まり返るリビングに、誰の声なのかすぐにわかる、その人の声が割って入ってくる。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…