光にこんなことを言われて普通なら顔を赤くして喜ぶはずなのに、こんな反応を示す彼女が新鮮でならなかった。
でも、このままだと光がどんどん調子に乗るから助けてやらないとな。
「この子、困ってるだろ。
そういうこと言うのやめろ」
助け船を出そうとしたタイミングで、光の方が俺よりも早く動いた。
何もわかっていない彼女に向かって、手を握ろうとした。
そのことにすぐ気付いた俺は、彼女を自分の体で隠してかばった。
「何で、オレの行動お見通しなんだよ……」
「お前の行動パターンなんて記憶済なんだよ。
残念だったな」
ガックリと肩を落としても、女に慰められればすぐにいつも通り。
こいつ……どういう神経の図太さしてんだよ。
自分の行動を悪びれる様子はまったくなく、女たちにまた笑顔を振りまく。
懲りない奴だな……。

