「ヒロが女嫌いって噂を作ったのも俺。
そうすれば、あいつに寄ってくる女を少しでも減らすことができると思ったから。
高校に転校した時も、その噂が流れてるのには驚いたよ。
まぁ、光あたりが中学の時の二の舞にならないように、高校に入学したと同時に、それとなく女子に言ったんだと思うけどね。
あいつ口が上手いし、そういうことに関しては得意分野だから。
どう? これがヒロの中学時代。まりやが思ってた通りの話だった?」
ううん、と首を横に振る。
すごくモテてるっていうのは想像ついてたけど、私なんかが軽々しく聞いちゃいけない話だった。
大翔君のことを知りたいと思ってたけど、知って初めて傷つくこともあるんだと、当時の大翔君の苦しさや悲しさに比べたら、私の胸の痛みなんて小さなもの。
「その時の大翔君に会って……抱きしめてあげたい。
1人で苦しまなくていいよって声をかけてあげたかった。
側にいたとしても、何ができるかわからないけど、たとえ側にいることを拒否されても……私は一緒にいたと思う。
みんなが知らないところでいっぱい傷ついて、それでも優しいから誰にも何も言わずに、自分を守る壁を作ったんだよね」
人のことを嫌いになりそうな状況だったのかもしれないのに、それに負けることなく自分を貫く大翔君の心の強さを改めて感じた。
「宮内君と谷山君がいてくれたっていうのも、大きな支えになったんじゃないかなって思う。
2人が側にいてくれて、よかった」
大翔君が帰ってきたら、勝手に中学時代の話を聞いてしまったことをちゃんと謝って、それから思いきり抱きしめてあげたい。
私の体じゃ、大翔君を包み込むなんてできないかもしれないけど、それでも
思いきり、抱きしめてあげたい。

