溺愛王子とヒミツな同居




「もともと、親しい奴以外にはニコニコするタイプじゃなかったけど、あいつなりの女子たちに対しての壁を作ったんだと思う。

素っ気なくして、関わらないようにすれば、騒ぐこともないだろうって思ってたのかもしれないけど、それが逆効果。

余計に人気が出ちゃって、ヒロもうんざりしてたよ。
そんなヒロを見兼ねて、助け舟を出したのが光だった。あの2人が仲良くなったのは、それからかな。

それを見てた俺もあいつの為に何かできないかと思って、ヒロに熱をあげてる女子たちに声をかけた。

試しにちょっと甘い言葉をかけたら、ヒロのことなんか忘れたみたいに、態度を翻してすぐに俺に寄ってきた」



私の知らない大翔君との空白の時間。



この話を私自信、全てを信じていいものなのかどうかわからない。



だけど、目尻から伝う温かい涙は、許可なくどんどん溢れてくる。



「あれだけ『好き』って騒いでたのに、誰かが甘い蜜を差し出せばそれにすぐついてくる。
軽い女ばかりじゃないってわかってたけど、その時、俺の女を見る目も変わった。

ああ……何だ。その程度の軽い気持ちかって。
実際ヒロの周りにいた子は当時、そんな子が多かったんだよ」


次々に聞かされる大翔君の中学時代の話に、何も言葉が出てこなかった。



私が知らないところで、大翔君が傷ついて苦しんでいたのかと思うと、堪らなくなる。