谷山君はそんな私には構うことなく、話を始めてしまった。
「中学時代のヒロは、ハンパない今のモテ方には及ばないまでも、そごい人気があったんだよ。
入学したての頃は、まだ小学生の可愛さが残る感じだったけど、中2になって俺たちがいた中学に転校してきたヒロに久しぶりに再会したら、身長もすごい伸びて声変わりもして大人びた顔つきになっててさ。
そんなカッコイイ奴、当然周りの女子が放っておくわけない。
部活もバスケ部だったし、ファンも日に日に増えて、毎日のように告白されてた」
他の人の口から聞きたくなくて、耳を両手でふさいだけど、それを谷山君の手によって阻止される。
「……やめてっ」
目を合わせてお願いしても、笑ってるだけで私のお願いに対しての返事はもちろんなく、そのまま話の続きを何事もなかったみたいな顔して話し出した。
「普通なら、その年頃であれだけモテれば調子に乗る奴だっているのに、あいつはまったく違った。
どんなに可愛い子や綺麗な子、着飾った子が告白してこようと、見向きもせずに全部断ってたんだ。
それでもあきらめられなくて、家まで押しかけてた女だって何人もいたよ。
そんなことが続いたせいかヒロは、いつの間にか口数も減ってあんまり笑いもしなくなった」
大翔君の口から聞きたかったことを、谷山君の口から聞いた私は、想像以上の話にショックを受け、呆然とするしかなかった。
胸が痛くて苦しくて、その時の大翔君の心情を想うと目頭が熱くなって、視界が歪む。

