いくら何でも、こんなこと聞きたくないよね。
相手が谷山君だってことも忘れて、思うままに口に出しちゃったけど、今頃になって恥ずかしくなってきた。
「何それ。ノロケてるわけ?
聞いた俺もバカだけど、そこまでポンポン出てくるって、どんだけヒロのこと好きなんだか」
呆れてるようにしか聞こえないその声音に、謝ろうとして口を閉ざす。
また注意されると思って言葉を選んでいたら、谷山君が急にソファから立ち上がった。
「でも、それだけヒロのことを想えるってすごいと思うよ。
感心するよ……妬けるくらいに」
「谷山……君?」
私の体を覆うように影ができ、そのままソファに押し倒される。
その衝撃で一瞬だけ目を閉じた私が次に目にしたのは、私の真上にある谷山君の顔。
見下ろされてるせいなのか、苦しげにも見えるその表情に胸の中がざわつく。
感じたことのない感情に、自分が戸惑う。
「離して……っ」
抵抗しようとした私に、静かに口を開く。
「いつまで苗字で呼ぶつもりなの?」
そんな声が振ってきて、戸惑いを顔に出してしまう。

