「晩飯の買い物でしょ。ここに入ってくのが見えたから、荷物持ちくらいするよ」
突然現れてビックリしてるのに、彼がこんなこと言うなんてそれにもビックリした。
何も言えずに立ち尽くしていると、スタスタと勝手に歩いて行ってしまう。
「もう終わったんなら、さっさと帰るよ。
まりやがいないと家に入れないじゃん」
「あ、うん」
呆気にとられながら、レジに進んでいく谷山君を追いかけた。
精算を済ませると、買い物袋を持って、そのままスーパーを後にする谷山君をまた追いかける。
そんな早足で歩いてるわけでもなさそうなのに、なぜか追いつけなくて小走りみたいに歩いてると、前を歩いていた谷山君がいきなり振り返った。
「遅いよ。何やってんの。
昔からまりやは歩くの遅かったよね」
「ご、ごめんなさい……」
大翔君とのことを祝福してもらって、谷山君とも少しは仲良くできるかと思ってたけど、やっぱり苦手意識は私の中で深く根付いてるらしく、彼が話すたびにビクッとする自分がいる。
条件反射で謝った私を見て、彼の口から溜息が聞こえる。

