《ちょっと先生に頼みごとされて遅くなる。
悪いけど、今日の夕飯当番に間に合いそうもないから、頼んでもいいか?》
授業も終わって、栞と校門で別れたところでメールの着信音が鳴る。
今は一緒に住んでるせいか、付き合いたてのカップルみたいに毎日、電話やメールをすることがない私にとって、たまに送られてくる大翔君からのメールは凄く新鮮で嬉しいものだったりする。
画面に映る文字を見つめて、微笑みながら返信をする。
大翔君は、あまり絵文字や顔文字を使わないシンプルな文面だけど、それが彼らしさを表していて、そういうところも好きだったりする。
メールを返信すると、すぐに返事が返ってきて
《ごめんな。明日、明後日は俺が作るから。なるべく早く帰る》
それだけの短い文章だけど、そこからでも大翔君の優しさが伝わってくる気がした。
スマホをそのまま操作して、近くのスーパーの特売情報を見ようと専用のアプリを開く。
webチラシを確認して、スマホを鞄にしまうとそのまま歩き出す。
学校から徒歩で10分くらいのところにあるスーパーに寄ると、買い物かごを持って慣れてきた売場を行ったり来たりしながら、必要なものを入れていく。
買い忘れがないかと頭の中で確認していると、急に手にかかっていた重みがなくなった。
見ると、いつの間に来ていたのか谷山君が隣に立っていた。

