いつまで根に持ってんだよ、こいつ。
態度はデカイくせに、心が小さい奴だな。
「似合わないとか似合うとか、名前にこだわりすぎなんだよ、お前」
「あのねぇ……。大翔はいいよ。お綺麗な顔にカッコイイ名前なんだから。
いいんだ。オレの気持ちは誰にも……」
“光”っていい名前を親からつけてもらってんのに、どこまで引きずる気だよ……まったく。
呆れて物が言えない俺を尻目に、光は絶好のターゲットを味方につけようと
あろうことか何もわからない彼女に振り返り、微笑んだ。
「君なら、オレのこの気持ちわかってくれそうな気がする。
よかったら、オレと付き合わない?」
軽々しく言ってのけて、平然とした顔をしている。
ほんとにこいつ、見境ねーな。
言われた彼女に目を向けると、何を言われてるのか理解できていない
そんな顔で光を見ていた。

