「栞、ご飯食べよ」



いつも誘いに来てくれる栞より先に、教科書を片付けていた彼女に声をかける。



「はいよ~」



お昼休み。



2人で中庭の木陰に腰を下ろし、お弁当を広げた。



「相変わらず、まりやのお弁当はいつ見ても美味しそうだねぇ」



お弁当箱の蓋を開けたら、栞がすぐに覗きこんできた。



「まりや料理苦手なのに、だいぶ上達したんじゃん?」



栞ママ特性のお弁当をモグモグと頬張りながら、何気なく聞いてくる。



「う~ん、どうなのかな。これでも練習してるんだけど、大翔君みたいには上手に作れないよ」



私も何気なく答え返して、大翔君に作ってもらったお弁当を幸せいっぱいに頬張っていると、真向かいから箸を握ったまま固まってる栞が目だけを大きく瞬いていた。



「松っちゃんって、料理できるの? てか、するの!?」



いきなり大きな声を出したかと思えば、ズイッと顔を近付けられて危うくお弁当箱を手から落としそうになる。