溺愛王子とヒミツな同居




彼女もまた、俺のことを見ていて余計に目が離せない。



「大翔……。チャラ男とかやめてくんない?

オレはただ、女の子が好きなだけ」



自慢にもならない言葉を並べて口にする光に、俺は白い目を向ける。



「世間では、そういう奴のこと“チャラ男”って言うんだよ。

無自覚か? ピカちゃん」



ピカちゃんと言い放った俺に、光は口をあんぐりと開いて、自慢のパーフェクトフェイスを崩した。



ピカちゃんと呼ばれることを凄く嫌がる光は、女みたいなこのあだ名が嫌いだそうだ。



小学生の時に、イジメっ子大将で、初恋だった同級生の女の子に「女みたいな名前でヘナチョコだ」と罵られたのがトラウマになったらしい。



俺がピカちゃんと呼んだことに対して、困った顔しか見せなかった彼女は、



ふんわりと優しく笑って、可愛いと言った。



その笑顔がどこか……俺が探してる“まりやちゃん”に似ていて、余計に目を逸らせない。



「か、可愛い……!? 大翔のせいで、この可愛い子ちゃんにまで笑われただろ。

その呼び方マジでやめて。

オレのこの完璧なルックスに似合わないでしょ」