「どうして大翔君が謝るの?」
「俺が油断してたから。何もされてないにしても、あいつがまりやの寝てるところに侵入したってだけで腹が立つ。
それ以上に、お前の寝顔を他の奴に見られたってのがいちばん……」
言いかけて口を閉ざす。
嫌だなんて言ったら、独占欲の塊だよな……。
言うのを途中で止めた俺を見上げて、続きを聞きたそうにしてるまりやの頭を自分の胸に抱く。
「何でもない。遅刻するといけないから、支度するぞ」
「まだ6時半だよ?」
「いちいちツッコむな。いいんだよ、俺がお前と一緒にいたいだけなんだから」
体を離して、廊下を歩き出した途中で振り向き様に言った俺に、当然まりやの顔はりんごみたいに真っ赤。
こんなに素直な反応返されると、もっと困らせたくなる自分がいる。
「朝飯作るからまりやもおいで」
可愛い反応をしてくれるまりやに優しく言うと、1階に下りて朝食の準備に取り掛かった。

