夜中って、それじゃ朝までずっとここにいたってことか。
無意識だったのか、わざとなのかはわからないけど、まりやと一緒に寝てたってだけで許せない。
「ただ寝てただけだし、何もしてないんだから、そんな怒らなくてもよくない?」
ニヤッと笑った祥吾の顔を見て、絶対に確信犯だと思った。
寝てる間に俺の知らないところで、まりやが何かされたんじゃないかと思うと自分への怒りがハンパなく募ってくる。
「怒るに決まってんだろ。
こいつに何かしたら、従兄弟のお前でも一生許さない」
「何かって何だろうなぁ。
ヒロってば言葉を濁したりして怪しい」
膝の上に肘をついて、頬杖すると俺とまりやを気味悪いニヤニヤした顔で見てきた。
「とにかく、まりやを泣かせるようなことしたら、許さねーから。
それだけはしっかりとその悪知恵ばっか思いつく頭に覚えさせとけ」
まりやを支えながら立たせると、部屋を出る。
「びっくりしたよな。ごめん」
涙の痕を目尻に残して、俺が謝るのをキョトンと見ているまりやを堪らず抱きしめる。

