溺愛王子とヒミツな同居




あいつのあんな呆けた顔は初めて見る。



誰でもいいなんて言ってるから、痛い目見んだよ。



玉砕した光に、さっきまでベッタリしていた女の1人が近寄って、また腕を絡めた。



「やっだ~! 誰にでもそういうことしてるのぉ~?」



甘ったるい猫撫で声で、わかってやってるわざとらしい上目遣い。



俺はうんざりするけど、光は可愛いとか言ってたし理解できねー。



魂胆見え見えだろ……。



女に甘い顔をして、甘い台詞を言って喜ばせる。



本気じゃない相手とデートまで約束して、ほんと付き合いきれねぇ。



自分から彼女に話しかけておいて、他の女とイチャイチャしだした光に、更に彼女は困っていた。



放っておけなくて、俺は自然と体が動いた。



「おい、チャラ男……。

誰彼構わず手ぇ出してんじゃねーぞ」



空気を読まない2人にそう言い放ち、俺の目は華奢な体つきの彼女に向いていた。