――バタン。



ドアが閉められ、行き場を失くした怒りを自分の拳の中に閉じ込める。



ふざけんなよ。



何がよろしくだよ。



人のものっていう響きがいい? 



人のものなら何でもいいのかよ。



俺がどれだけあいつを想って、どれだけ大切にしてきたか知りもしないくせに。



やっと想いが通じたのに、邪魔されてたまるか。



そんな簡単に手放せるほどの軽い気持ちじゃねーんだよ。



ぶつけようのない怒りの拳をベッドに沈みこませた。