やっと想いが通じたってのに、これじゃ付き合う前より酷いじゃねーか。
一緒に住んでてもロクに話もできない、近付こうとすれば祥吾がすぐに邪魔してくる。
おめでとうなんて言ってたけど、心からそんなふうに思ってるなんて俺には思えなかった。
中学時代に俺に近寄ってきてた女子を俺から遠ざけるようなこともしてたし、高校に転校してきてからは普通に仲良くはしてるけど、そんな素振りは一切見てない。
あいつが何考えてんのか全然わかんねー……。
いろいろなものを吐き出すように息を深くすると、ガチャッと部屋のドアが開く。
見ると、許可もなく入ってきた祥吾がベッドに勝手に座り込んだ。
「何しに来たんだよ」
祥吾の顔も見ずに不機嫌そのものの声で聞いた俺に、ははっと短く笑う。
「チョー不機嫌だね。何そんなに怒ってんの?」
面白がって聞いてくる祥吾に、答える気なんてまったく起きない。
むしろ今は話しかけてほしくないとさえ思う。

